Intel Core i7について
去る11月16日にインテルから新しいCPUとしてCore i7(コアアイセブン)が発売になったりました。これとほぼ同時に各BTOパソコンショップからCore
i7搭載のBTOパソコンが発売されました。
まずはCore i7について少し触れておきます。これまでのCore 2シリーズにない新しい特長として、
- ・純粋なクアッドコアになった
インテルのこれまでのクアッドコアであるCore 2 Quadは名前からも想像つくように1つのダイ(CPUの土台)にCore 2 Duoを二つ乗せたものでした。その方が歩留まり(生産性)が良く、開発コストが少なくてすむなどの利点があったからでした。
しかしCore i7は 4つのコアが1つのダイに統合された純粋なクアッドコアへと生まれ変わりました。これにより各コアを個別にコントロール出来るようになり、新たに「パワーゲート」や「ターボモード」なる機能が実装されました。
「パワーゲート」とはシステムの負荷が少ない時にはコアへの電源供給を遮断しコアの消費電力をほぼ "0" にしてしまうというとってもエコな機能です。
また「ターボモード」とはCPUの状態(温度など)に余裕がある時に動作コア数を減らして、動作周波数を上げる機能でマルチコアに対応しないビジネスソフトやゲームなどの動作周波数が高い方が快適なアプリケーションに有効だそうです。
この様にコアを独立させることでとってもうれしい機能を持たせる事が可能になりました。
- ・コア数を2倍にする「Hyper Threading」(ハイパースレッディング)
Pentium4の時代に使われていた技術で本当は1つのコアをソフトウェアー上で2つあるように見せかけるものです。
Core i7は4コアなので擬似的に8つのコアがあるようにソフトウェアーは認識します。この技術によりインテルでは少しの消費電力で2〜3割の性能向上が期待されるとしています。
- ・メモリーコントローラーの内蔵
これまでインテルのメモリーコントローラーはチップセットのMCHに搭載されていました。しかし、Core i7ではCPU側に搭載されるようになりました。
MCHではFSBを通ってCPUとのデーター転送を行っていましたがCore i7の場合はFSBが無い分高速になります。
Core i7のメモリーコントローラーはDDR3 1066をサポートしておりトリプルチャンネルに対応していてデータ転送速度をシングルチャンネルの三倍にできるとされています。
ちなみにDDR2はサポートされていませんので注意して下さい。
- ・チップセットとの接続がFSBからQPIへ
これまでCPUとチップセットはFSBで接続されていましたが、Core i7はQPI(QuickPath Interconnect)なるものに変わりました。
このQPIの転送速度はCore i7 965 Extreme Editionで3.2GHzに相当する最大25.6GB/秒にもなります。
ちなみにFSB1600MHzで12.8GB/秒なのでかなり高速化されています。
その他の改良点
QPIへの変更やメモリーコントローラーのCPU側への内蔵に伴いチップセットも変更になっています。その名もX58 Expressです。これまでMCHと呼ばれてきましたが、メモリーコントローラーが無くなってのでIOH(I/O Hub)と呼ばれるようになります。IOHはグラフィックスのコントロールを行うのが役割で、グラフィックス以外の
SATAやUSB,PCIなどはこれまで通りICH10シリーズが担当します。ちなみにIOHとICHはこれまで通りDIM(Direct Media Interface)で接続されます。
価格については・・・
以上Core i7の主な特長はこの様なところですがどれも新しいものばかりです。こんなに新しいものづくしで価格もさぞ高いのではないかと思いました。しかし、意外に手の届くところにあります。下位モデルですけれど、CPU性能はこれまでNO.1であったCore2
Extreme Q9770と比較して同等以上あります。しかし、価格はQ9770搭載機よりも安いので新しくパソコンの購入を検討されている方は候補に挙げても良いのではないでしょうか。
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2009.6.27作成
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